
2020年度 事業計画
令和3年度の次期報酬改定に向け、経営実態や従事者処遇等の様々な実態調査が今年度に実施され、また前回改定時に出された13項目の検討課題の検証結果も踏まえ新たな報酬が決定されていく予定である。この他、障害福祉計画や障害児福祉計画、社会保障審議会の状況等に関しても、(公財)日本知的障害者福祉協会(以下、日知協)と連絡を密にし、意見要望や情報提供をすすめていく。
福祉人材の面では、依然厳しい状況が続いている。本会としては、ホームページでの求人募集を引き続きすすめ、会員事業所の職員確保を支援していきたい。片や、人材育成の点では、階層別による新任から管理者までの研修を実施していく。いずれも、ワーク形式を取り入れた実践的な内容で、スキルアップとキャリア育成を図りたい。また、今年度より野澤和弘氏を顧問に迎え、ゼミナール形式による講座を開催し、新たな知識の習得と探求心を育てたい。さらに、各部会・委員会では研修事業を始め、それぞれの情報共有や検討会など活動の活性化を図ってく。
権利擁護の点からは、事業所内虐待の完全防止に向け権利擁護委員会を中心にセミナーの実施等を通し職員の意識改革と利用者主体の適正なサービスの在り方を追求していきたい。調査研究では、会員事業所の実践研究の証として、研究紀要 VOL21 の刊行に向けての準備の年となる。また、村上基金事業を通じ優れた実践や研究、事業活動を応援していく。広報活動としては、会報である「あいち愛護ニュース」の定期刊行、リニューアルしたホームページによるタイムリーな情報提供に努めていきたい。
依然、障害者雇用率の低い愛知県にあって、近年障害者雇用支援サービスへの企業参入が増えているが、本会としては働く障害者側の視点に立った就労支援に向け情報の収集や動向の把握を的確に行い、必要な支援を考えていきたい。
芸術、文化に関しては、障害者アートの普及促進に努め、愛知県のあいちアールブリュットの一環として本年度も「ぼくらのアート展」を開催する。同じく、あいちア ールブリュットのイベントとして昨年度中止となった「ぼくらの Live フェスティバル」を開催に加え、障害者応援ソングのビデオ動画を制作予定である。スポーツの分野では、通例のソフトボール・フットベースボール大会実施の他、様々な競技への参加促進や情報提供をすすめ利用者のスポーツ振興を図っていく。
関連機関との関係では、引き続き各種障害者団体との協力・協働関係を維持していく。愛知県・名古屋市については、障害福祉担当課との懇談会を開催し、要望事項の提示と課題の共有によりサービス向上への対策を共にすすめたい。
上記の内容に加え、会員からの要望や現況を把握し、政策審議会を中心に制度の改善や新たな福祉施策の提案などを、上部団体である公益財団法人日本知的障害者福祉協会の政策委員会を通して国に対し要望を届ける活動を行っていく。また、会員相互の交流や情報共有をすすめるとともに、ホームページや広報紙を通し、協会活動の PRと各種事業の広報活動を行っていく。なお、上記の研修、イベント、スポーツ等については新型コロナウイルスの感染防止のため Web での開催又は延期もしくは中止の場合もある。 各種事業における具体的内容は、次のとおりである。
1)協会組織の強化と会員事業所への支援
1 | 協会組織の強化 | 未加入事業所への加入促進を図るとともに、本会の部会・委員会活動等を通じ会員事業所との連携強化を一層推進し、組織の機能強化を図る。 |
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2 | 会員事業所への支援 | 部会・委員会活動や専門研修等を通し職員の資質向上を図る。 また、障害者権利条約を踏まえ、日本知的障害者福祉協会が定める倫理綱領等の周知を行うとともに会員事業所への情報提供や倫理意識の強化等に努め、重大事故や不祥事の防止を図る。 |
3 | 事務局の機能強化 | 業務の合理化・効率化を図るとともに、電子メールやリニューアルしたホームペ ージ活用等により、会員施設・事業所に対するタイムリーな情報提供を一層推進する。 |
4 | 対外活動 | 愛知県および名古屋市をはじめ各市町村との連携強化に努めるとともに、各種審議会・協議会、ならびに懇談会等を通じ、今後の制度拡充に向けた提言を行う。 また、国会議員・県議会議員に対する情報収集活動を行うとともに、必要な政策提言に努める。 |
5 | 研修事業の充実 | 人材育成への取組み強化をはかるため、研修委員会での活動と階層別研修実施に加え、「研修あり方検討会」と協働し、職員研修の方向性と内容、運営方法等に関して検討を重ね、研修企画に反映させていく。また、野澤和弘氏によるゼミナールを実施し、専門性と意識改革の追求を図る。 |
6 | 権利擁護事業の推進 | 事業所内虐待ゼロを目指し、権利擁護システムの構築に向けた研修会や委員会での研究と検証活動を行う。また、虐待防止の徹底周知や成年後見制度の利用推進に努める。 |
7 | 大規模災害時の支援体制の強化 | 高い確率で発生が予想される南海トラフ地震を想定し、大規模災害時の応援体制や行政・福祉関係団体と連携した愛知県災害福祉広域支援推進協議会に参画するとともに、事業所の事業継続計画等について検討し会員事業所への啓蒙を図る。 |
8 | 審議会・委員会・部会・ 事業部の設置 | 本会事業を推進するため、重要な個別課題等を検討するために審議会・委員会・部会・事業部を次のとおり設置する。 <審議会> 会員施設・事業所における様々な先進的実践を評価するとともに、事業経営における諸課題や各種功績に関する情報収集・分析を行うため、次の審議会を設置する。なお、顕彰の関係については審議会を廃止し、三役会にて候補者の選定等を行い、会長が推薦者を決定する。 ア 村上基金議会 イ 政策審議会 <委員会> 本会事業を推進するため、専門分野ごとに次の委員会を設置する。 ア 研修委員会……………各種研修の企画・運営 イ 療育研究委員会………療育の研究、紀要の企画・編集・発行 ウ 権利擁護委員会………人権の擁護と虐待、差別解消に向けた活動 エ 広報委員会……………定期広報紙の企画・編集、ホームページの企画 オ 対外対策委員会………各種実態調査及び行政への要望活動 カ 支援スタッフ委員会…現場職員の連携による支援向上のための活動 <部 会> 障害福祉サービスの充実および職員の資質向上のため、事業種別ごとに以下の部会を設置し、課題の分析・研究やテーマ別研修等を行う。 ア 児童発達支援部会 イ 障害者支援施設部会 ウ 日中活動支援部会 エ 生産活動・就労支援部会 オ 地域支援部会 カ 相談支援部会 <事業部> 利用者活動を推進するため次の事業部を設置する。 ア スポーツ推進事業部…障害者スポーツ全般の普及啓発 (ソフトボール、フットベースボール大会の実施) イ 文化事業部……………障害者の芸術活動の普及啓発 (ぼくらのアート展及びぼくらの Live フェスティバル等の開催) |
9 | 日本知的障害者福祉協会 研究会員の加入促進 | 障害児者福祉分野における今日的課題と対策を熟知するため、月刊誌「さぽーと」の購読を推奨し、同研究会員の加入促進を図る。 |
10 | 日本知的障害者福祉協会が実施する通信教育の推奨 | 専門職養成のため、社会福祉士養成講座、知的障害福祉士、知的障害援助専門員、基礎講座等、同協会が実施する通信講座を推奨する。 |
2)顕彰
- 愛知県知的障害者福祉協会表彰規程による顕彰の実施
功労賞、会長表彰、永年勤続職員(10年)感謝状。 - 日本知的障害者福祉協会「愛護福祉賞」、「会長賞」「知的障害者福祉事業功労者表彰」の推薦。
- 事業所役職員の褒章、叙勲対象者の推薦。(愛知県・市町村に対し、褒章、叙勲、顕彰対象者を推薦。)
3)地区・全国活動
- 大規模災害への支援
- 日本知的障害者福祉協会(中央・東海地区)への政策提言及び協力
- 日本知的障害者福祉協会発行「月刊さぽーと」誌の研究会員の拡大
4)各種団体との連携及び協力
- 愛知県知的障害児者生活サポート協会との連携
- 名古屋市知的障害者福祉施設連絡協議会との連携・協力
- 愛知県社会福祉協議会との連携・協力
- 愛知県及び名古屋の育成会との連携・協力
- 愛知県知的障害者施設家族会連合会との連携・協力
- 共同募金運動への協力
- 愛知県福祉連盟との連携・協力
5)職員・管理者研修事業の実施
- 2020年度新規採用者研修及び基礎研修
共 催 名古屋市
場 所 未定 - 階層別研修
管理者から新任職員までの階層ごとに、研修会を企画・開催する。
・初任者研修 WEBにて実施
・中堅研修 々
・リーダー研修 々
・管理者研修 会員総会時に実施 - 2020年度愛知県知的障害関係施設職員等研究大会
開催方法を検討中 - ゼミナール「野澤ゼミ」
開催日 未定
開催方法 未定
6)東海地区会
- 第57回東海地区知的障害関係施設職員研究協議会(中止)
開催日 令和2年7月9日(木)~10日(金)
場 所 ホテル&リゾーツ伊勢志摩(三重県志摩市) - 第58回東海地区知的障害関係施設長等研究協議会(中止)
開催日 令和2年10月22日(木)~23日(金)
場 所 ロワジールホテル豊橋(豊橋市)
7)全国関係
- 全国知的障害関係施設長等会議(中止)
開催日 令和2年7月1日(水)~2日(木)
場 所 パシフィコ横浜(横浜市) - 全国知的障害関係施設職員研究大会(来年度に延期)
開催日 令和2年9月23日(水)~24日(木)
場 所 ロームシアター京都・みやこメッセ(京都市)