暴行事件に関する声明
2020年12月4日(金)、共同生活援助事業所「なないろの家」において、利用
者に対する暴行により職員が逮捕される事件が報道されました。暴行との因果関係は捜
査中とされるものの、後に利用者が死亡されていることから、本会では当該事件を極め
て重篤かつ深刻に受け止めているところです。亡くなられた方には衷心よりご冥福をお
祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様には謹んでお悔やみを申し上げます。
2016年7月に津久井やまゆり園での凄惨な事件が発生したことを受け、本会でも
様々な機会を通じて同様の事件を起こさないよう障害のある方々に対する権利擁護意識
の向上や職員の人材育成に努めてきましたが、報道が事実とすれば、障害のある方々の
人権を著しく侵害する事件であり、また暴行の結果利用者が亡くなったのであれば極め
て重大な虐待行為に他なりません。
本会としましては、事件が報道で明らかになって以来、事件の実態把握に努めている
ところですが、当該法人の正確な情報が充分つかめていない状況にあります。引き続き
事件の詳細や背景について情報収集に努めてまいります。
また、障害福祉サービスの現場における暴行や虐待や権利侵害を打ち払い、障害のあ
る方々が安心でき且つ信頼される福祉サービスの提供を目指すべく、協会内に検証組織
を設置することといたしました。この検証過程においては、残された利用者や職員の皆
さんが不安なく過ごせるよう、当該法人へのサポート体制も整えていきたいと考えてい
ます。
わが国では、障害のある方が地域社会の一員として暮らし、地域住民の皆様とともに
地域共生社会を実現するべく活躍をしています。一方、社会福祉法人や障害福祉サービ
ス事業所は、本来こうした地域生活を応援する役割を担うべきところです。今回の事件
が、障害のある方々が地域で暮らす潮流を阻むことがないよう、いま一度私たち事業者
に求められる福祉の本分について会員事業所とともに自己省察をし、地域社会の信頼に
足る障害福祉サービスの担い手であるよう努めてまいります。
令和2年12月8日
一般社団法人愛知県知的障害者福祉協会
会 長 川 崎 純 夫