グループホームの”停電”への備え
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愛知県内の障害福祉サービス事業所では、地震や台風、停電、断水など、さまざまな災害に備えた取り組みが進められています。
今回の「備えよう!防災!」では、障害支援施設シンシア豊川での取り組みをご紹介します。
どのような課題意識から備えを進め、実際にどのような工夫をしているのか。
自事業所の防災を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
| 事業所名 | 障害支援施設シンシア豊川 |
| 所在地 | 愛知県豊川市平尾町諏訪下10 |
| 事業種別 | 施設入所支援、生活介護 |
| 利用者定員 | 55名 |
| 主な利用者の特徴 | 知的障害 平均区分5.8 平均年齢 51.8歳 |
| 日頃大切にしている支援 | 「ともにいきる 彩彩(とりどり)のかがやき みち照らす」の基本理念に沿って、支援を行っています。 |

大規模地震や土砂災害などにより停電が発生した場合、施設内のトイレの水が流せなくなることが想定され、衛生面の確保が難しくなる恐れがあります。
また、建物の裏が山に面しており、豪雨時には土砂災害のリスクが高い立地にあります。さらに、利用者の多くは一般の避難所での生活が難しいと考えられるため、施設内での対応体制を整えておくことが重要です。

シンシアの中庭には、マンホールトイレを設置しています。
施設には災害備蓄品として簡易トイレやトイレテントを複数用意し、プライバシーにも配慮した環境を整えていますが、災害が長期化した場合には、これらの備蓄だけでは対応が難しくなる可能性があります。
そのため、マンホールを開けて下水へ直接流せる仕組みを整備しました。現在は3か所のマンホールが使用できるようになっており、複数の利用者が同時に利用できる環境となっています。なお、平常時にはマンホールにはしっかりと蓋がされており、安全面にも配慮されています。

停電によりトイレが使用できなくなった場合、汚物を流すために多くの水を確保する必要がありました。しかし、マンホールトイレを整備したことで、簡易トイレやトイレ用テントを設置するだけで、衛生的にトイレを利用できる環境を整えることが可能となりました。
これにより、職員・利用者ともに安心して過ごせる体制づくりにつながっています。
防災訓練でマンホールを開けようとした際、場所によっては開けるのが難しい箇所があることが分かりました。
緊急時は人手も限られるため、スムーズに開けられるか不安が残る状況です。実際には、砂が隙間に入り込んでしまうことや、開ける際に力が必要であることが課題として挙がりました。
今後は、より簡単に開閉できるような環境整備や工夫を行い、誰でも対応できる体制づくりが必要だと考えています。

防災対策として、取り組むべきことはたくさんあります。やってもやっても尽きることはないです。一つずつ問題や課題として出てきたものに対して、対応していくしかありません。そのための小さな一歩を踏み出して防災対策を進めていただけたら幸いです。